「○リっこメイドさんの館」 第一話


1−A 神明みのり
※このみのりんは本物とはなんの関係もありません。毒舌だとかみのりんはこんなキャラじゃないとかいう意見は受け付けません。(何

私は神明みのり。この館でメイドをやってます。
メイドを始めたときはただのアルバイトだったんだけどね、ご主人様に惚れちゃったの♪
でもいちおう敵がいるんだよねー。負ける気はしないけどさ。
さあ今日はどうやってご主人様に迫ろうかな〜


館の掃除は私の仕事。神明神社よりも時間はかかるけどその分充実感もあるんだよね。
まずは廊下に掃除機をかけてると・・・、さっそく来たよ。私と争う度胸も無いのにいるだけいる空気みたいな存在1が。
「おはよう小鳩。今日はなにをするつもり?」
「な、なにも私はやってません!
 何かをするのは・・・」
と、言いかけて口を閉じる小鳩。キョロキョロ辺りを見回す小鳩。
あー、足元がもっこりしてるけど小鳩は気づかないみたいだね。
「ま、あの人のことはちゃんとあなたが何とかしてよね。そうじゃないとご主人様に追い出されちゃうよ?」
「そ、そんなことご主人様は・・・」
オドオドする小鳩。私の中のSの血が騒ぎ出す。
「されて当然なんだからね。あの人が壊した物の修理費を合わせたらあなたの給料よりもずっと高いんだから。」
「で、でも・・・でもぉ・・・」
涙目になる小鳩。あ、これ以上いじめると後が怖いかな。なんだかんだであの人は彼女のことしっかり守ってるからね。
「ご主人様から離れたくなければあの人のことどうにかしてね。」
「う、うぅー・・・」
これ位ならたぶん大丈夫。この程度ならあの人・・・、すばるさんが私に何かすることは無い・・・と思う。
『うふふふ、ランダム性を持つことが最高の脅迫手段なのよ!』
な〜にか嫌な感じがする・・・、嫌な声が聞こえた気がするけど・・・、大丈夫だよね?とりあえず逃げとこうかな?



1−B 六浦小鳩
※苦労人な小鳩さんは沈んじゃうキャラになってますがこれも本物とは関係ありません。気にしちゃった方にはマシンガン土下座。(何

『ぎにゃーーーっ!!』
遠くから声が聞こえてきた。何か爆発する音も。
「す、すばるさーん。やめてくださいー・・・」
小さい声でしか言うことのできない私。みのりさんが言ったようにまたすばるさんはお屋敷を壊してしまったみたいだ。
『み、みのりさーーん!大丈夫ですかー!?』
七穂さんの声だ。
・・・・・・ダメ、やっぱり足が動かない。みのりさんに謝らなくちゃいけないと思うのに、それ以上に今みのりさんに会うのが怖い。
こんな自分が嫌になるけど・・・、どうせ変わることなんてできないんだ・・・。
みのりさんに謝ることも、すばるさんを責めることもできない。弱い私にまた自己嫌悪をした。

けっきょく、私はみのりさんの介抱は七穂さんに任せて、せめて廊下の掃除だけは代わってあげて、そして自分の与えられた仕事を始めた。


「こんにちは。朝は大変だったみたいですね。」
「あ、七穂さん・・・。」
お昼になって、やることを全部やり終わった私は休憩室に向かった。
入り口に差し掛かったところでちょうど七穂さんが出てきた、みのりさんもいるかもしれないことに気づいて、足が重くなる。
「・・・大変だったのはみのりさんです。私は・・・」
「そんなに落ち込まないで!みのりさんだってすばるさんのことはわかっていて小鳩さんをからかったりしてるんですから。・・・・・・たぶん。」
「でも・・・」
「だからっ!小鳩さんも自分だけが悪いだなんて思わなくていいんです。それに攻撃したのはすばるさんでしょ?」
畳み掛けるようにして慰めてくれる七穂さん。
「でも・・・私は・・・それでも謝らなくちゃいけなかったのに・・・」
何もしないことを選んだのは私自身だから・・・、
「ん〜〜〜〜っ!もうっ!それなら謝りなさい!今からでもぜんぜん遅くないんだから!」
「で、でも・・・」
「でもじゃないの!まずは行動っ、謝ったら今度はみのりさんにも言ってやるの!わかったっ!?」
「は、はい・・・」
「じゃあここにみのりさんも来てるから。ちゃんと、ね?」
「・・・はい。」
押しに負けて、けっきょくみのりさんに会うことになっちゃったけれど・・・、まだ自信が無い。
謝るのが・・・怖い。



1−C 緒方七穂
※七穂はかなりお姉さんキャラです。気に食わなくっても(ry まあ、実年齢が一番高い人ですから(外見年齢は別)。(何

またお姉さんぶっちゃいました。
沈んだ顔のまま、すーーっごく気まずそうに迷いながらおどおどしながら休憩室の戸を開ける小鳩さんを見て、なんだか罪悪感に苛まれてしまいました。
でも、小鳩さんはどこか昔の自分を見ている様で放っておけないんです。
そういえば先生は今頃どうしてるんだろう・・・。ちょっとマッドサイエンティストなところがすばるさんに似ていた。好きな人に迷惑をかけたりするところも。だから余計に小鳩さんに親近感が湧いちゃうんでしょうね。

「にゃごーーーーっ!!!(ドカーンッ」
・・・・・・あー、また・・・
たぶんみのりさんも狙ってすばるさんを怒らせてるんでしょうけど・・・、天然じゃないよね?


夕方になりました。もうすぐご主人様が帰って来ます。
「さあ、今日は私がご主人様の食事を作るからねっ!」
「え、あっあの」
「ちょっと待ってみのりさん。今日は小鳩さんが担当の日ですよ。」
ご主人様にご飯を作る。これほどおいしい役割はありません。3人みんながやりたがるので、あみだくじで決めておくことになっていました。
「あんな不公平なあみだくじなんて無効でしょっ!」
どうもすばるさんが何か仕掛けをしているようで、少し前からじわりじわりと確実に小鳩さんの割合が多くなってきているんです。
だからみのりさんがこんなことを言い出して・・・、また爆発してしまいました。
「にゃーーっす!!(チュドーン」
あれ?今回は床にほとんど焦げも無い・・・。すばるさん・・・だんだん爆弾を改良していってるの?
「で、でも・・・私もこんな風に不公平な形で自分に決まると・・・」
また、小鳩さんが心苦しそうに・・・、でもその気持ちは私にもよくわかります。
だから・・・、
「それじゃあみんなで勝負することにしませんか?」

こうしてご主人様を狙う3人の料理勝負が幕を開けました。



第二話へ続く