チャリラリラ♪チャリラリラ♪チャリラリラッラッラーン♪チャリラリラ・・・・・・

み「こんにちわ。みのりんの3分間クッキングの時間がやってきました。本日のゲストは」
ゆ「ゲストは私っ、遠野有希だーー!」

み「・・・いきなりハイテンションだね。」

ゆ「んー?これノーマルテンションだよ?」

み「うわ・・・」

な「・・・有希先輩こんにちわー」

ゆ「お、君は不幸にもこの番組の料理の評価役に抜擢された美術部の後輩こと七穂くんじゃないかー。」

み「・・・出演者の紹介は数少ない私の仕事なんだから、取らないでほしいんだけど!」

ゆ「本日は隣のお父さんと一緒に私の作った料理を食べて悶絶しろよっ!」

な「え、ええー・・・?」

み「む、無視された・・・」

筋「同じく、料理の評価をさせていただきます緒方父です。神明さん、今日の予定はどうなっていましたか?」

み「・・・ありがとう緒方さん、あなただけが私の味方だよ。」

ゆ「私が今回作るのh」
み「キ リ マ ス ヨ ?」

ゆ「了解みのりn」

み「・・・えーと、遠野さんが今日作るのは味噌汁だね。材料は何を使うつもりなの?」

ゆ「それはもちろんきゅうり!といいたいところだけどはるにゃんに習ったのは大根と人参の味噌汁だけなんだよねー。この味噌汁で日本の若者の心をゲットっ!」

み「さて、じゃあこれから3分間で料理を作ってください。どうぞっ」


・・・とまあ、私の仕事はここからはもう適当にツッコミを入れたりするだけなんだけど、今日のゲストの遠野さん・・・あからさまにおかしい人です。
「はっはっはっはっは・・・」
とか笑いながら湯の入った鍋をコンロにかけて・・・
いったい何を考えてるのかニヤニヤ笑いながら大根と人参の皮をむいて・・・
ついには包丁を両手に持ち出したよこの人。
「よーし、ここで必殺!回転剣舞六連!」
「お!おおっ!?」
思わず驚いた。一瞬にして大根と人参が切り刻まれていつの間にか鍋の中に移動している!?
「見たかみのりん私の必殺技!」
「う、うん。まるで包丁で切ってたようには見えなかったけど・・・」
「細かいことは気にするなっ(ブシュッ」
・・・まるで某サイコメトラーに出てきた料理人、この人今度は全身から血が噴き出してるよ・・・。
「あ、ごめん。鍋に血が入っちゃった。(テヘッ」
意外と無事なようなので一安心、気になって緒方さん親子を見ると、2人揃って壁のほうを見ながらお茶を飲んでた。


・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


・・・あからさまに味噌汁ではありませんよ?と主張している赤黒い色が気になった。
見ないようにはしていたが目に入るものは仕方がない。これが遠野有希さんの血の色であることは知りたくはなかったが知ってしまっていた。
「さー、私の力作どうぞっ」
失敗作の間違いでは?とツッコミたくなるのを必死で抑える。
冷静になれ、緒方祐介。お前はそんなキャラじゃない。
「(フゥ・・・)・・・この味噌汁には何か隠し味が入っているのですか?」
遠野有希は満面の笑顔で、戸惑うこともなく答えた。
「私の血と汗と努力と友情が込められてますっ。」
「あのっ、そのうち一つが本当に入ってるんじゃ・・・」
「七穂・・・」
これ以上聞いても埒があかないことだ。そう、無言で七穂に伝える。

・・・食べてみた。
きっと"隠し味"が入っていなければごく普通の味噌汁だったのだろう。
野菜は硬めではあるが、十分食べられる硬さだ。
ダシ入り味噌を使ったのだろう、味のある味噌汁に仕上がっている。
が、"隠し味"が全てを台無しにしていた。

黙っていることに業を煮やしたのか遠野有希がしゃべりだす。
「どう?トロッとしていい感じでしょ?」
ドロッとしてて味噌汁の食感ではなかった。
「どうよっ私の血の味は!」
それが入っていなければおいしかったと思いますよ?

感想は言わなければならない。なんとも言いがたい後味を残したままの口を私は開いた。
「これは・・・普段は味わうことのできない味ですね。ドロッとした食感と・・・、ほろ苦い味わいが普通の味噌汁とは違った奇抜な仕上がりになっています。」
「・・・それって"まずい"ってこと?」

・・・誰もが無言の重苦しい雰囲気のまま、予告もなければテーマ曲も流れず制限時間で番組は終了した。